ISIDが進めるワークスタイルイノベーション

株式会社電通国際情報サービス様
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一歩先を行く喫煙対策で社員の健康とコミュニケーションを推進

株式会社電通国際情報サービス(ISID)では昨年7月に新設されたワークスタイルイノベーション室が主導して働き方改革に取組んでいる。これに呼応し、並行して進めているオフィスのリノベーション計画の中で、喫煙・非喫煙を問わず社員が自然に交流できる場の構築を模索する管理本部総務部長の荒木正孝さんに、これまでの経緯と今後の展望を聞いた。健康促進と環境改善という目標に向け、確実な一歩となるフロアの改装はどのような成果をもたらすのか。

部署を越えた分科会働き方改革が始動

喫煙者、非喫煙者を問わず自由にリラックスして情報交換できる場所が求められていた

isid-1若手が中心となって部署を越えた自由闊達な議論が行われ、新しい働き方の模索が始まったのが2年前のこと。これがワークスタイルイノベーション室の前身となるワークスタイル変革タスクフォースである。管理本部総務部長の荒木正孝さんも、その分科会に参加していた。

働き方の多様性を探る中で、共有スペースの在り方やフリーアドレス、シェアオフィスなどが議題になり、オフィスの設備管理を担当する荒木さんの意見が求められる場面が多々あった。重要なテーマの一つは、社内に「仕事の合間にリラックスできる場所」「自由に打ち合わせができる場所」を作ることだったという。「喫煙者同士にとっては実質、喫煙室がその役割を果たしていましたが、加熱式たばこの使用者が増えるにつれ、『紙巻たばこと一緒だとたばこのにおいが髪や服に付くので何とかならないか』といった要望が寄せられるようになりました。一方で非喫煙者からは、『自分たちにも、喫煙室のように緩やかに集まって情報交換できるような場所がほしい』との声が上がっていたんです。

『当社の働き方改革の最終的な目標は、社員一人ひとりの健康です』と社長も明言しており、当社は社員が健やかに働ける労働環境を重視しています。社員の健康を考えると当然のことながら、禁煙を推奨するものです。しかし、総務としてサポートできることには限りがあります。このオフィスに勤務する社員の4分の1程度は喫煙者であり、たとえ健康のためだとしても一気に喫煙室を撤廃することは彼らにとって大きなストレスになることが予想され、現実的とはいえませんでした」

社員の健康に留意しながら対策によるストレスを最小限にし、仕事に集中できる働き方を実現するため、総務としてできることは何か。荒木さんは考え続けていた。そうした中でワークスタイルイノベーション室が本格的に立ち上がり、昨年暮れにはオフィスの大々的なリノベーションが始まった。

産業医の見解を基に専用室への改装が決定

喫煙室の一つを加熱式たばこ専用室に改装し、ガラス張りにして中が見通せるようにした

最初に改装が決まったのは、12階だ。このフロアには会議室などの共有スペースを集中させることになっていた。さまざまなアイデアを募るうち、一角にある喫煙室を加熱式たばこ専用に切替える案が浮上した。

「喫煙者と非喫煙者がともにコミュニケーションをはかれるスペースにしたいと考えたとき、加熱式たばこは一つの有力な選択肢でした。私は非喫煙者で加熱式たばこのこともよく知らなかったので、まずはメーカーに問い合わせて説明を聞いたのですが、加熱式たばこは火を使わず煙が出ないという特性から、紙巻たばこに比べて、使用者本人への影響だけでなく、周囲の人への影響が少ない可能性があるという印象を持ちました。すでに加熱式たばこに移行した社員も、専用の利用室であれば紙巻たばこのにおいがつくことへの心配が無用になります」

健康管理室の産業医にも同席を頼み、加熱式たばこの性質を理解してもらった。産業医は、「基本はあくまでも禁煙であるが、加熱式たばこへの切替えは健康促進の取組みとして、望ましい方向への第一歩である」との見解を示した。必ずしも実験データが現場の環境に対応するとは限らないので、改装の前後で独自のデータを取ることを条件に、建設的な意見が得られたのだ。これを基に役員と協議した結果、喫煙室の一つを加熱式たばこ専用室に改装することが正式に決まった。

これまで非喫煙者が喫煙室に近づくことはなかった。できればその状況を変え、もっとオープンな空間にしたい─。荒木さんは加熱式たばこ専用室をガラス張りにし、手前の共有スペースから中が見通せるようにした。そもそも煙が出ないので、よく見える。

「中に誰がいるのかわかれば雑談の機会となり、専用室の外側のスペースと自然な往来が生まれる可能性があると考えました。まだその効果を実感するには至っていませんが、少なくとも私は気軽に近づけます。自分が吸わないせいか紙巻たばこの煙やにおいに弱くて、通常の喫煙室にはとても近づけなかったのですが、加熱式たばこ専用室のそばは大丈夫ですね」

足しげく専用室に通い、利用者からの声も聞く日々だ。

喫煙所は確実に縮小、健やかな環境への一歩

社員の健康促進につながるとともに、加熱式たばこ専用室のそばで活発な議論が生まれつつある

2017年暮れに加熱式たばこ専用室が誕生してから約3か月。社内アンケートの結果もまとまってきた(図表)。

「加熱式たばこの使用者からは『煙の中に入っていかなくてよくなり、ありがたい』『ガラス張りの明るいスペースでオフィスと変わらないのがいい。これまでは閉鎖された空間でどことなく悪いことをしている感覚が拭えなかった』など、好意的な意見が寄せられています。非喫煙者からは

『煙がなく、においが漏れなくていい』という声がある一方で、『結局、喫煙者への投資ではないか。非喫煙者が集える場所も作ってほしい』という要望があり、どんなスペースが有効なのかリサーチを進めています」

禁煙に向かう時代に逆行している、という厳しい意見もある。

「そうした声も真摯に受け止めています。ただ一ついえるのは、喫煙スペースは確実に縮小しています。吸える場所が少なくなることが、禁煙へ向けて背中を押すことになるかもしれない。これからも社内の喫煙率を減らすために、少しずつ背中を押していく施策を続けます」

2018年の夏までは、共有フロアおよびオフィススペースを中心とする2フロアに関して、さまざまな試みを行い、検証する。秋以降はいよいよ検証結果に基づいた本格的なリノベーションに着手する予定で、荒木さんの多忙な日々は続く。

「改革はいまだ緒に就いたばかりではありますが、今回の加熱式たばこ専用室への切替えは、若手が中心となり始動した働き方改革の一施策として、従来の喫煙室の在り方を見直し、新たな変化をもたらす、着実な一歩であったという手応えを感じています」

株式会社電通国際情報サービス

本社東京都港区港南2-17-1 本社
代表者 代表取締役社長 釜井節生
従業員数
2,716人(連結、2017年12月末現在)
事業内容コンサルティングサービス、受託システム開発、ソフトウェア製品(自社開発ソフトウェア)の販売/サポート、ソフトウェア商品(国内外ベンダーのソフトウェア)の販売/サポート、アウトソーシング・運用保守サービス、情報機器販売・その他
ホームページhttps://www.isid.co.jp/

 

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